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2024.07.18




太田下町の平屋

先日、1年点検にお伺いしてきました。

特に不具合などもなく、快適にお過ごしいただいているとのこと。


屋根裏の空間も、結露跡などもなく適切な環境に保たれていました。

屋根面で断熱をしているため、屋根裏もそれほど暑くありません。

換気の掃除もバッチリです。

こちらでは、ダクト式の第三種換気を採用されています。


第三種換気の特徴としては、第一種換気と比べて
・初期費用が安い
・掃除などのメンテナンスは年1,2回でOK
・熱交換はできないので、外気の温度が直接入ってくる
といったところでしょうか。

換気の考え方には正解がないと思いますので、住み手の考え方や暮らし方に合せて一緒に選定するようにしています。



さて、話は変わって今回の【ヒートブリッジとプサイ値】について。

これまでヒートブリッジ(熱橋)については、ブログでも書いてきました。


ボルトなどの金物は、断熱材と比べて熱を通しやすいので、室内と屋外をつなぐ熱の橋となりやすく(熱橋)、冬は外の冷たい温度がボルトを伝って室内にはいってきたり、夏はその反対の現象をおこす場所になります。

そのため、この熱橋をいかに少なくできるかが非常に大切です。

そして、この熱橋を表す数値としてψ値(プサイち)という指標があります。

これは、断熱材が屋根と壁で交差する部分、壁の隅の部分、そういった部分で、断熱材が線状に薄くなる箇所がありますが、その数値をψ値と呼びます。

「躯体からは、外壁、屋根、窓といった面状の部分からの熱損失だけでなく、窓枠/外壁といった線状の取り合い部分からの熱損失も存在する。プサイ値は、このような線状の熱損失を定量化した数値である」 
※パッシブハウスジャパンのテキストより

文章では、なかなか分かりづらいと思うので、写真で。

下の写真は、床と壁の取り合い部分です。


サーモカメラで見てみると、線状の熱橋が確認できます。



また、部屋の隅を見てみると


床と壁、壁同士の角の部分に線状のラインが確認できます。

住宅では、こういう角の取り合い部分も熱損失が起こりやすいので、できるかぎりの対策が必要です。

こちらの住まいでは、付加断熱や細かな熱橋処理を施しているので、色は変わっていますが、実際の温度差でいうと1℃以下の差に抑えられています。


面状の壁の表面温度は、27.1℃。
隅の線状の表面温度は、27.3℃。
0.2ほどの差に抑えられています。

要は、角や隅の部分は、どんな家でも弱いので対策が必要ですよという話です。

対策が不十分だと、熱損失量が増えて温度差が大きくなり、不快さを感じる室内空間となってしまいます。

完全に熱橋をなくすことは難しいですが、少しでも減らせるような努力は需要だと考えています。




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