Blog

2026.08.23




毎月の光熱費が高騰している昨今、家づくりにおいて「いかに省エネで快適に暮らせるか」を重視する方が増えています。 そこで大切になってくるのが「パッシブデザイン」という設計手法です。
今回は、自然の力を味方につけて心地よい空間をつくるパッシブデザインの魅力や、季節ごとの暮らし方について詳しく解説します。


パッシブデザインとは?自然の力を生かす5つの原則


パッシブデザインとは、エアコンなどの機械設備に頼りすぎず、太陽の光や熱、自然の風といった「自然エネルギー」を最大限に活用して、快適な室内環境をつくり出す設計の考え方です。

この設計には、大きく分けて5つの基本原則があります。

◆断熱、気密性
外の暑さ、寒さの侵入を抑え、室内の快適な温度を逃がさない。
◆日射遮蔽(夏)
夏の強い日差しを遮り、外から室内への熱の侵入を抑える。日射遮蔽により、室内の温度上昇を抑えることで、エアコンの使用を抑えることができるため、結果として光熱費も削減できる。
◆日射取得(冬)
冬は太陽の日差し(熱)を室内に取り込み、部屋を暖める。自然の太陽熱を利用することで、無料で温めることができるため、エアコンや光熱費を抑えることにつながる。
◆昼光利用
昼間は照明をつけなくても、自然光だけで明るく過ごせる。そのため、照明の光熱費を削減できる。
◆自然風の利用
地域の風向きを利用して窓を配置し、風を室内に取り込んで熱を逃がす。ただ、昨今は夏の気温上昇により、夏に自然風を利用することはおすすめできない。理由は、せっかくエアコンで冷房しても、通風することで、外の高温とじめっとした高湿度の空気を家の中に取り込むことになり、結果として不快な環境となってしまう。春と秋の利用をおすすめする。

これらを香川県の気候風土や、周辺の建物の状況に合わせて計算し、設計に落とし込んでいくのが本物のパッシブデザインです。



パッシブデザインのメリットとデメリット


自然と調和する家づくりには、多くの魅力がある一方で、事前に知っておくべき注意点もあります。


【メリット】

◆光熱費を削減できる
自然の力で室温をある程度管理できるため、エアコンの稼働率が下がり、毎月の電気代を抑えることにつながります。
◆健康的で快適な空間になる。
家中の温度差が少なくなるため、冬場のヒートショックを防ぎ、年中薄着でリラックスできる心地よい室内環境が叶います。
◆災害時にも強い。
万が一、停電が起こった場合でも、高断熱高気密で外気温の影響を受けにくいため、極端に熱くなったり、寒くなったりするのを遅らせることができます。太陽光発電や蓄電池を併用するとより災害時の安心感が増します。

【デメリット、注意点】


◆土地の選定も大切。
冬の日射取得をしたくても、南に高い建物が建っていると、それは望めません。例えば、南北に区画された分譲地で平屋を希望する場合、もしも南側に2階建てが建つと、その影の影響で平屋側の室内への日射は難しいことが予想されます。また、それらをシュミレーションできるアプリもありますので、利用してみることも一案です。
◆設計力を要する。
太陽の角度や隣家の影の落ち方など、敷地ごとに異なる条件を読み取る必要があります。
また、土地探しにおいても、パッシブデザインに適した土地のアドバイスができる工務店をおすすめします。
◆軒や庇の深さも重要。
軒や庇が深い(奥行が長い)と夏の日射遮蔽には非常に有効です。日影の下は、夏のバーベキューや子供のプール遊びにも利用でき、物干しスペースにすると急な雨でも安心です。ただし、その影響で冬の日射取得は逆に少なくなります。どちらにも一長一短がありますが、パッシブデザインのセオリーでは、軒や庇の深さの理想は、掃き出し窓(デッキに出られるような高さのある窓)の高さの1/3程度の深さが最適とされています。
◆プラン(間取り)に制約が出ることがある。
冬の日光を取り込むために南側に大きな窓を設けるなど、パッシブデザインのセオリーを優先することで、間取りや外観デザインに制約が生じる場合があります。


夏と冬の過ごし方。もたらされる豊かな暮らし


パッシブデザインの家では、季節の移ろいを感じながら、無理のない自然体な暮らしを送ることができます。


【夏の過ごし方:涼しさを保つ工夫】
夏の太陽は高い位置から照りつけます。そのため、屋根の「軒(のき)」を出したり、窓の外に日よけ(アウターシェードなど)を設置したりすることで、直射日光を室内に一切入れないよう工夫します。
また、朝夕は北からも日差しが入りますので、その対策もおすすめします。
さらに、昨今は太陽高度が低いの5月や10月も気温が高い日があるため、屋根の軒だけでは、日差しを防ぐことが難しい時期もあるため、外付けのシェードやスクリーンは非常に有効となります。


【冬の過ごし方:太陽を暖房器具にする】
冬の太陽は低い位置を通ります。この角度を利用して、南側の大きな窓から室内に日射しを取り込みます。
自然の熱で温められた床や壁は熱を蓄え、夕方以降もほんのりと暖かさが持続します。
感じ方には個人差がありますが、晴れた日中であればエアコンなしで過ごし、朝と夕方~就寝までの時間帯だけエアコンを使っている方もいます。また「床下エアコン」と組み合わせることで、足元から家全体を包み込むような、理想的な暖かさを実現することもできます。


夏の日射遮蔽の例




冬の日射取得の例


光熱費への影響と、SNSで話題の「窓の失敗」


パッシブデザインを正しく取り入れた住宅では、エアコンの効率が向上するため、一般的な住宅と比較して冷暖房費を半分近くに抑えられるケースも珍しくありません。


また最近、InstagramなどのSNSで家づくりについて調べると、「#高断熱なのに夏暑い」「#窓の後悔」といった投稿が話題になっているのをご存知でしょうか?
これは、「断熱材を厚くして窓を大きくしたものの、夏の日差しを遮る工夫(日射遮蔽)を忘れてしまった」ことが原因と思われます。断熱性が高い家は、一度熱が入ると魔法瓶のように熱を閉じ込めてしまい、夏場はまるでサウナのようになってしまいます。

だからこそ、ただ「高性能な家」を建てるだけでなく、自然の力をコントロールする「パッシブデザイン」の考え方が大切なのです。


【ご相談はお気軽にどうぞ】
ハウスプロジェクトでは、香川県の気候に配慮した上で、土地の条件に合わせた最適なパッシブデザインをご提案しています。 ご興味ございましたら、お気軽に無料相談をご利用ください。
資料請求・無料相談はこちら


香川県高松市を中心に心地よい家づくりをお届けする
高性能専門工務店 株式会社ハウスプロジェクト

初めましての方へ、私たちの5つの強み


加盟団体
・パッシブハウス・ジャパン
・新住協

お知らせ一覧

その他の記事