川部町の家。
上棟工事に向けて、土台敷きを行いました。
基礎の上に土台を置いて金物で固定していきます。
土台を敷き終えた後は、金物部分に発泡ウレタンを施工していきます。
金物は熱を通しやすいので、そのままにしておくと熱橋(ヒートブリッジ)になってしまいます。
そのため、ウレタンで金物を被覆をして冷気が直接触れないようにすることで、熱の移動を抑える対策を取っています。
一つ一つは小さな熱橋ですが、100カ所以上あるので、家全体で考えると大きな影響を及ぼすと考えています。
また、気密性を高めるためにも有効ですし、この処理は今しかできません。
つまり、断熱と気密の工事は、この時からすでに始まっているのです。
最後に、防水気密テープを貼ります。
その後は、床の断熱材を敷いていきます。
熱伝導率0.022W/m・Kの高性能な断熱材がハウプロ標準です。
こちらのお家では、75㍉厚を使用します。
玄関土間の部分は、コンクリートが打設されるので、断熱の為にこの部分は、基礎内断熱となります。
基礎側面の立ち上がり部分や底版のコンクリートからの熱の移動を抑えます。
こちらのキッチンは、造作のコの字キッチンとなりますので、床が一段下がります。
そのため、こちらも基礎断熱を施します。
細かな部分も、丁寧に断熱・気密の処理。
そして、断熱材と土台の密着部分にも気密テープですき間の処理をします。
新築時は、人が乗っても落ちないくらいすき間なくピッタリを密着していますが、木材は乾燥して収縮するもの。
万が一に備えて、このような処理を行います。
この作業は屈んで張らないといけないので、腰と太ももにきます…。
そして最後に、その上に床用の合板を敷いて、床組みが完成です。
床合板は、厚めの28㍉を使っています。
当然、合板のジョイント部分にも気密テープ処理を。
午後からは、先張り気密シート張りです。
先張り気密シートとは、後で気密施工がやりにくい部分に、前もって気密シートを張ることで、施工の精度を高める施工方法です。
梁などの木材に、先に気密シートを張っておくのです。
また、気密シートや気密テープにも無理な負荷がかからない為、長期的な気密性能の経年劣化防止にも効果があります。
(でも、手間がかかるのでやっている工務店は少ないです笑)
具体的には、下の写真★印のような部分です ↓↓↓
横の横架材と縦の梁が接合する部分ですね。
このような部分は、平らではなく、凹凸が多い(角が多い)ので、気密シートやテープが張りにくいんですよね。
また、将来的な木材乾燥による収縮等で気密シートやテープに負荷がかかってのすき間発生の可能性もあります。
一方、先張り気密シートをしておくと、先張りシートに後から、気密シートを張り重ねることで、無理なく気密(防湿層)を連続してつなぎ合わせることができます。
張り重ねるとしたの写真のようになります。
うっすら先張り気密シートが見えますよね。
このことは、以前ブログに書いた角の多い窓の周りも同様です。
窓周りの先張り気密シート
完成すると見えない地味な作業ではありますが、ハウプロでは大切にしている工程の一つです。
初めの頃は、たくさんの木材の中から先張りする木材を探しながらの作業で大変でしたが、今では、材木屋さんも弊社用に先張りする木材を分けて搬入してくれるので助かります。
最後に、上棟当日まで雨に濡らさないよう雨養生をしてこの日の作業は終了です。
柱や梁などの木材を山状に置いて、厚手のブルーシートを強風で飛ばないようにしっかり固定します。
冬は強風が吹くことも多いので、いつも心配になるんですよね。
施主さまも見に来てくれました。
差し入れもありがとうございます。
iwamatsu